2011/7/13 秋山真也
スポーツの中でコーチ(監督も含めて)の果たすべき役割とは何でしょうか?
学生スポーツにおいて、コーチの言葉や方針は決して逆らうことのできない絶対的なものであることがほとんどだと思います。だからこそ、コーチと呼ばれる役割を担っている方には、この「コーチの役割」というものを十分に理解していただきたいと思います。
そもそも、「コーチ:coach」という言葉はどういった意味なのか、まずはそこからお話をしたいと思います。
英語圏では、乗合バスのことをコーチと呼んだりもしますが、元々の語源は「馬車」です。馬車は目的地に乗客を運ぶものですので、そうした意味合いからスポーツ界では指導者のことを、「選手の目的や望みに対し、ゴールまでしっかりと送り届ける」ということでコーチと呼ぶようになったそうです。
この言葉はビジネスの世界でも「コーチングとティーチング」として注目を集めていますが、スポーツ界におけるコーチとは、”プレーヤーが自主的・積極的に取り組むための環境づくりをする人”となります。
しかしながら、学生野球の世界を見てみると、経験則に基づいた指示命令・一方的な押し付け型指導等が多く、プレーヤーが自ら積極的に取り組んでいるとは思えない状況も良く目にします。
これではプレーヤーは自ら考え、工夫して練習をするということもなく、ただ言われた通りの練習をし、それで満足をしてしまうという傾向に陥りがちとなってしまいます。
特に小学生や中学生のころは、過度の管理によって自発性・自立性・自律性などの大切な要素が育たず、またとても重要である「失敗する機会」をも奪ってしまう可能性がとても高くなってしまいます。
こうしたことが起きないために、指導者にはコミュニケーションスキルが必要不可欠となります。指導者が率先してこどもたちに話しかけたり、挨拶をしたり、腰をかがめて子どもと同じ目線で話をしたり、そうした日ごろの接し方が子どもに安心感を与え、多くの会話が生まれることにつながることでしょう。
もちろん、子どもたちとお友達になる必要はありませんし、時には叱咤激励も必要だと思います。
ここで、子どもたちとのコミュニケーションに大切なポイントをご紹介しておきたいと思います。
1. 子どもの話をしっかりと聴く
2. 基本的には褒めて伸ばしてあげる
3. 子どもに聴く耳を持たせる
詳細なテクニックについては、次回のコラムで書きたいと思います。
要は、子どもたちとより多くの言葉を交わし、自ら「楽しい」「もっと上手くなりたい」といった感情を引き出し、そこにコーチならではのアドバイスを散りばめていくということが、コーチの本来の役割になると思います。
小学校3年生から軟式野球を始め、高校から硬式野球に転向。大学進学後は、4年間母校の神奈川県立のとある高校で硬式野球部の監督をつとめる。
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)が認定するパーソナルフィットネストレーナー(PFT)の資格を取得。現在は、自身の得意分野である野球とゴルフを専門とするフィットネスコーチとして現在活躍中。
東京都府中市のNPO法人子育て支援ベビーサロンにて、乳幼児向けの運動教室を定期的に開催したり、児童館で乳幼児向け運動教室を開催するなどキッズとそのご両親への運動・健康指導にも力を入れて取り組んでいる。
オフィシャルblog:『 Never up, never in 』